6月25日に考えた事:エジプト新大統領とアラブ世界の暗い予兆

民主的にエジプト市民が選んだ初のシビリアン大統領...

と言うが実際には投票率は大変低かった。合法的に認められる最低線ではあったものの。投票拒否した市民が悪いと言えばそれまででもある。

イスラム兄弟団は、その創成期から今日まで内部から随分変容してきてしまった、と言う内外の批判がある。 創成期時代を知っている古い世代は既に多くが離反、全く別の活動をしている人達もいる。

何よりも信用できないと思うのは、公共に表明する方針や声明が正直にオープンではなくて、必ずどこかに演技の匂いがし、本当のアジェンダは別にある...そう言うトラックレコードがあるからだ。 公共市民に対して真摯に本当の事、本意を言わない。それ自体が余りにも非イスラム的だ。 2011年の「エジプト民衆革命」と称して始まったムバラク政権落しを数年掛けて準備し、主導してきた青年グループ「エイプリル6」は疑っていたとおり、やはり「隠れ兄弟団」だった。 

米国政府の資金と訓練により綿密に3年を掛けて準備された戦略だった。

結局は、軍備資金力のスーパーパワーには敵わない、と言う単純な話ではあるものの、イスラム社会運動の仮面を被って貧困層、低教育層を「イスラムの名」をもってだまし掬い上げて来た手法が余りにも、非倫理的、非イスラム的に過ぎる。

その「イスラム兄弟団」の嵐が中東アラブ世界中を一掃する時代が到来した現実に実に暗い思いに落ち込まざるをえない。

アラブ世界はもうとっくの昔に解体されバラバラにフラグメント化されて久しい。それでも尚、更なる徹底破壊を試み続ける西洋世界がそこまで恐れる「アラブ世界」の亡霊とは何なのか... アラブ人達自身も気付かない。